イベント・セミナー
読書会 晴読雨読 アイデアの系譜学 第10回「舞台上で踊る思考 大学キャンパスと演劇文化」
<猛暑は継続中ですが、夏休みトークショーもまだまだ終わりません…>
シアター・スペースは、新たな思考が生まれる場所です。スポット・ライトを浴びること、暗闇から「別の世界」が立ち上がること、「私ではない何か」になること、独白することなどなど、舞台上での振る舞いは、「思考のギミック」(=新しいアイデアを生み出すための仕掛け)と重なります。劇場は娯楽の場であると同時に、みんなが/みんなで何かを探究し、実現するための「思考インフラ」と言えるのかも。かつて、大学といえば学生演劇、演劇といえば学生街の小劇場、というイメージの時代がありました。コロナの混乱期/閑散期を経て、大学をめぐる演劇の状況は今いずこに。
2025年度には日吉キャンパスに、小演劇空間が生まれるかもしれない(!)というニュースもあります。
「リベラル・アーツの場」と「演劇をすること/観ること」のこれからについて、一緒に考えてみたいと思います。大学授業における演劇実践、語学授業との連携にも言及します。
*各キャンパスの学生はもちろんのこと、高校生から卒業生、若手研究者から名誉教授まで、幅広い層の参加を歓迎します!
「アイデアの系譜学」読書会とは…
「アイデアの歴史」(History of Ideas)という学問分野を参照しつつ、発想の生成・循環・変容をテーマに「あれこれ喋る」、書籍持ち寄り型の会になります。前回からの継続参加、今回のみの単発参加の両方を歓迎します。日吉の1~2年生だけでなく、三田の上級生、湘南藤沢や信濃町からの参加、時には高校生や教員たちの「往来がある」ことが本会の特徴です。当日、どんな流れになるかは、集まってみるまで主催者も分かりません。「創造的な混沌」を目指す場です!
専門:英米文学専攻 18世紀イギリスの文学・文化、スコットランド啓蒙思想、会話/対話としての哲学
学部ではイギリス経験論やアメリカン・プラグマティズムといった英語圏の思想史を学び、「共感」や「驚き」といった日常生活の言葉でものを考え、書くことの重要性を実感しました。大学院からは、文学と哲学が交差する18世紀イギリスの言語空間にとりわけ魅せられ、専門分野としてきました。
ポスドク以降は「おしゃべりの文化」から18世紀イギリスの文学・思想・絵画についてずっと考えています。とりわけ、会話・社交する存在としての人間像を提示し、当人もお話し好きだった哲学者/歴史家/文筆家デイヴィッド・ヒュームの著作や書簡が研究の主軸です。プロジェクト研究では18世紀東アジアの専門家たちと協働し、「グローバルな18世紀世界」像の構築を目指しています。
現在、日吉での教員生活4年目です。これまでの「賑やかな知的探究」を発酵させ、この春、愉快で軽やかな本を出版しました。名前はズバリ「文芸共和国の歩き方」です。出来たてホヤホヤの本書が、みなさんの楽しいお供になりますように!
『文芸共和国の歩き方 書棚を遊歩するためのキーワード集』(慶應義塾大学出版会)
また、日吉図書館では、ワカザワお薦めの本棚も企画展示を行いました。【展示会は終了】ウエブサイトに掲載していますので、ぜひ見て、触れて、本の世界を遊び尽くしてくださいね。
2024年度 第18回(2024.3~5) - 教員のオススメ本 - Research NAVI at Keio University Media Center / 慶應義塾大学メディアセンター