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笠井叡舞踏公演「日本国憲法を踊る」[無観客収録配信]
2020年度慶應義塾大学新入生歓迎行事

日吉キャンパスにおける新入生歓迎行事は、1994年の大野一雄舞踏公演をもってスタートしました。そのテーマである「心と体と頭」は日吉キャンパスの重要なコンセプトとなり、毎年日本を代表する舞踏家たちが公演を行い大きな反響があります。10年ぶりに笠井叡を迎えての舞踏公演企画は、日吉来往舎での収録映像をオンラインで配信します。

憲法改正・護憲にかんする一切の政治的な意図を超えて、ダンスというカラダを通しての行為から、日本国憲法を体感してみたいと思います。日本語で書かれている日本国憲法を踊るというのは「日本語」を踊るということですが、それはコトバとカラダが激しくぶつかり合う現場であるということです。そして、そのことを通して、憲法というものが人間存在の深みの中から生まれてきたということを、予感、直感できます。

笠井叡

詳細: http://www.art-c.keio.ac.jp/news-events/event-archive/happ-2020-12

日時:
2020年12月24日(木)13:00配信開始 
会場:
オンライン(YoutubeLive)  https://youtu.be/INQEhKsxet0
講師:
登壇者/出演者
公演タイトル「日本国憲法を踊る」
出演     笠井叡
朗読・出演  原仁美
       浅見裕子
音響・照明  曽我傑

笠井叡は1943年三重県で生まれた.裁判官であった厳格な父親,笠井寅雄の影響下で幼少時代を過ごすが,1954年9月26日の洞爺丸海難事故で父親を亡くす.キリスト教の洗礼は受けていないが,教会生活は長く,「イエスの復活」という歴史的事実は笠井にとって生涯のテーマといっていい.江口隆哉・宮操子のスタジオで学んだことでダンスの世界に入り,後に大野一雄に出会い,三年間,個人指導を受ける.1963年10月,朝日講堂で「犠儀」を踊ったことが遠因となって土方巽と出会い,1965年11月「バラ色ダンス—A LA MAISON DE M. CIVECAWA」(千日谷会場)に出演する.下記対話中で経緯が語られるが,暗黒「舞踏」という用語は,笠井の発案を土方が採用したものである.1971年天使館設立,1979年から1985年までドイツに在住した.オイリュトミー,パントマイムも視野に入れ,狭い意味での「舞踏」に囚われない表現者である.
 文章家としても高い評価を得ており,神秘性,精神性を重視する姿勢は,『天使論』,『聖霊舞踏』,『金鱗の鰓を取り置く術』,細江英公との共同による写真集『透明迷宮』ほか多数の著作として刊行されている.その範囲は,西洋神秘学から日本の大石凝真素美『真訓古事記』まで及び,その表現は,単なる日常言語を超えて「ダンス」にまで昇華されて,熱烈なファンを持つ著述家でもある.「大宇宙の音楽が聴こえる」(『聖霊舞踏』,p. 9)あるいは「聖霊とはエネルギーであって,これなしに人は一瞬たりとも生きることができない」(『聖霊舞踏』, p. 26)と笠井が述べる時,例えばジョン・デイヴィース(Sir John Davies, 1569-1626)の詩に表れている―神羅万象を踊りとして捉える―ヨーロッパ前近代の《ダンス宇宙観》と通じ,現代日本を超えた宇宙性と歴史性を感じさせる舞踊家である.
  笠井は『カラダと生命―超時代ダンス論』の冒頭で次のように述べる,「歴史というものが常に生きた存在として変化し続けている限り,どんな時代も一つの転換期です.けれども,一人の人間はすべての時代を生き続けているのではなく,ある特定の時代を生きているわけですから,自分が生きている時代そのものが,どのような転換期であるかをリアルに感じ取るためには,歴史全体を俯瞰することができるような,何らかの想像力を駆使しなければなりません」.この言葉に表れているように,笠井は,踊りにおいても,現代性,社会性を強く意識する.そして,2013年度「日本国憲法を踊る」で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞している.(小菅隼人記)
参加費:
無料
申込み:
不要
対象:
どなたでも
参考:
備考:

慶應義塾大学アート・センター土方巽アーカイヴ 担当:石本
Tel: 03-5427-1621 Email: ishimoto@art-c.keio.ac.jp


主催・共催など

主催:慶應義塾大学教養研究センター日吉行事委員会(HAPP)
   慶應義塾大学アート・センター
コーディネーター:小菅隼人

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