イベント・セミナー



読書会 晴読雨読 アイデアの系譜学 第17回
弱音の効用 フラジャイルなものの愛で方・接し方

<「良い弱音」もあるらしい>
弱さは隠すものでも、克服するものでもなく、「共」に生きていく「友」にもなれるようです。キーは弱さの言語化です。ヨシタケシンスケ『ヨイヨワネ』のあおむけ編とうつぶせ編を参照しながら、あるいは松岡正剛『フラジャイル:弱さからの出発』を紹介しながら、弱さについて、愉快軽快に語るスタイルを探ってみます。
情感的湿気ムンムンの「弱音」という単語も、「ヨワネ」と書くとなんだか可愛く思えてきます。ひょっとしたら、われわれに必要なのは「弱さの概念的な掘り下げ」ではなく、言葉の波打ち際で「その音や形で遊ぶ」デザイン感覚なのかもしれません。弱さへの学問的正面突破ではなく、言語遊戯的な「すり抜け方」を数冊の本と共に考えます。夏休みの静かなキャンパスで、ブックトークを満喫いたしましょう!

「アイデアの系譜学」読書会とは…
「アイデアの歴史」(History of Ideas)という学問分野を参照しつつ、発想の生成・循環・変容をテーマに「あれこれ喋る」、書籍持ち寄り型の会になります。前回からの継続参加、今回のみの単発参加の両方を歓迎します。日吉の1~2年生だけでなく、三田の上級生、湘南藤沢や信濃町からの参加、時には高校生や教員たちの「往来がある」ことが本会の特徴です。当日、どんな流れになるかは、集まってみるまで主催者も分かりません。「創造的な混沌」を目指す場です!

日時:
2025年8月7日(木)13:00~14:00(予定)  
会場:
慶應義塾大学日吉キャンパス来往舎1階 103/104
講師:
若澤 佑典(慶應義塾大学文学部准教授)
専門:英米文学専攻 18世紀イギリスの文学・文化、スコットランド啓蒙思想、会話/対話としての哲学


学部ではイギリス経験論やアメリカン・プラグマティズムといった英語圏の思想史を学び、「共感」や「驚き」といった日常生活の言葉でものを考え、書くことの重要性を実感しました。大学院からは、文学と哲学が交差する18世紀イギリスの言語空間にとりわけ魅せられ、専門分野としてきました。

ポスドク以降は「おしゃべりの文化」から18世紀イギリスの文学・思想・絵画についてずっと考えています。とりわけ、会話・社交する存在としての人間像を提示し、当人もお話し好きだった哲学者/歴史家/文筆家デイヴィッド・ヒュームの著作や書簡が研究の主軸です。プロジェクト研究では18世紀東アジアの専門家たちと協働し、「グローバルな18世紀世界」像の構築を目指しています。

現在、日吉での教員生活5年目です。これまでの「賑やかな知的探究」を発酵させ、この春、愉快で軽やかな本を出版しました。名前はズバリ「文芸共和国の歩き方」です。本書が、みなさんの楽しいお供になりますように!
『文芸共和国の歩き方 書棚を遊歩するためのキーワード集』(慶應義塾大学出版会)


また、日吉図書館では、ワカザワお薦めの本棚も企画展示を行いました。【展示会は終了】ウエブサイトに掲載していますので、ぜひ見て、触れて、本の世界を遊び尽くしてくださいね。
2024年度 第18回(2024.3~5) - 教員のオススメ本 - Research NAVI at Keio University Media Center / 慶應義塾大学メディアセンター
定員:
参加費:
無料
申込み:
不要
対象:
塾生・教職員・塾員(卒業生、高校生も来場を歓迎します!)
参考:
備考:
コメント:
このイベントについてお問い合わせ
  • TOP
  • イベント・セミナー

 

所員専用ページ