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教養研究センター基盤研究講演会no.3
大地の芸術学―庭園と建築を歩む

 人間はつねに、自然環境に身を寄せて生きてきました。
 現代の情報社会も、自然環境の重要さを繰り返し強調してやみません。たしかに、小さな携帯情報
デバイスをポケットに忘れない日々、自然は、ひととき眼と心をやすめる場に変貌したかのようです。
 大地にふれ、空と樹木の息づかい、芝や苔のみどり、水の音に想いをひそめる --これはしかし、
それほど易しくありません。
 17世紀に微分学を開拓した数学者・哲学者ライプニッツの作った庭園に、18世紀のイギリス式風
景庭園に疑問符を付したゲーテの手になるイルム川公園に、いや、19世紀末に枯山水を真っ向から
否定した七代植治による京都・無鄰菴に身をおいてみましょう。自然や大地の時間は、むしろこうした
造形作品からこそ、立ち上がってくるはずです。
 教養の本義は、ドイツ語の「自己形成Bildung」にほかなりません。自己形成に、たしかにアルゴリ
ズム(合理的問題解決法)の加速感も無用ではありません。だが、とりあえず大地の呼吸に自分自身
の呼吸をゆっくりと同調させてみませんか。自分自身への問いかけが生まれるはずですから。

日時:
2019年1月16日(水)18:15~19:45 
会場:
日吉キャンパス 来往舎1階シンポジウムスペース
講師:
前田 富士男(慶應義塾大学 名誉教授/近代美術史学・芸術学)
参加費:
無料・申込不要
申込み:
不要
対象:
研究者、塾教職員、関心のある学部生・大学院生
参考:
備考:
コメント:
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