「学びの連携」プロジェクト

新しい「読み書き能力」ー創造的思考をめざして
福澤先生は学問の在り方を説いて、学問には読書と精神の働き、そして「様々な工夫」が必要であると述べています。様々な工夫とは、「事物を視察すること(オブセルウェ?ション)」、事物の道理を推究して自分の説をつくること(リーゾニング)、加えて読書を重ね、議論や口頭発表を尽くして、初めて学問をする人と言うべし、と説明しています。つまり、受身の読みによる知識の蓄積では学問にはならず、批判的に精神を働かせて知識を取り入れること。能動的な「読み」の必要性を説いているのです。さらに知識を取り入れるだけでは十分ではなく、発表して世に問うこと「書くこと」が必要とも述べています。

現代に置き換えれば、多様なメディアを介して流れ込む文字・非文字の情報を批判的に取り入れ、事象を観察し課題を見い出し、推論を実証していくこと。その実証に必要な文献情報の収集と分析を行い、討論や発表を通じてさらに検証していく。場合によってはさらなる仮説の検証の入り口に立つことにもなるでしょう。学びとはこの循環を機能させることだと思います。

繰り返し問い続け修正をしていくことによって、考える力が深まり、創造的な考えを生み出すことにつながるのです。そのための方法論や教育プログラムの策定を研究し、実践しています。

2017年度の予定

2017年12月13日(水)「学びの連携」プロジェクト2017年度 第1回公開セミナー
『効果的な論文指導を目指して―英語論文編』

2016年度の実績

2016年10月27日(木)「学びの連携」プロジェクト2016年度 第1回公開セミナー
『効果的な論文指導を目指して―日本語論文編』

2014年度の実績:「体験と知識をつなぐ複合的教育プログラムの構築」

2014年7月5日(土)「学びの連携」プロジェクト2014年度 第1回公開セミナー
「本の世界への探索法ワークショップ」
2014年11月8日(土)「学びの連携」プロジェクト2014年度 第2回公開セミナー
学生の主体性を育む教育方法の探究・ケース・メソッドによる
「交渉力体験ワークショップ ハーバード×慶應流交渉学」
2015年1月24日(土)「学びの連携」プロジェクト2014年度 第3回公開セミナー
ー学生の主体性を育む教育方法の探究ー
創造を促す対話のための言語「パターン・ランゲージ」の体験ワークショップ

2013年度の実績:「学生の主体性を育む教育プログラムの策定に向けて」

2013年8月3日(土)「学びの連携」プロジェクト2013年度 第1回公開セミナー
学生の主体性を育む教育方法の探究・ケースメソッドの多様な応用可能性について
-危機時における責任者の意思決定のケースを題材に-

2012年度の実績:「考える力」を深める教育のために―学びのシステムとメソッドの開発」

2012年6月23日(土)「学びの連携」プロジェクト第1回公開セミナー
「学生の主体性を育む教育方法の探究-ケースメソッドの効果的運用の試案-
2012年8月6日(月)、7日(火)、8月8日(水)実験授業
「ケースメソッドを用いて文学を読み解く―谷崎潤一郎『吉野葛』、泉鏡花『高野聖』、クローデルの外交書簡をテキストに」
2012年9月29日(土)「学びの連携」プロジェクト第2回公開セミナー
「学生の主体性を育む教育方法の探究-ポストデザイン・ポストシステムの方法論によるイノベーションの新たな地平開拓-」
2012年11月3日(土)「学びの連携」プロジェクト第3回公開セミナー
「文学でシステム?-学生の主体性を育む教育方法の探究-アルフレッド・テニスンの詩 「シャロットの女」をシステムで分析、みんなで創作するワークショップ」

2011年度の実績

2011年10月5日 第一回(講師:不破有理)
リテラシー・セミナー:多様なリテラシーを目指して
「メディア・リテラシーとは:その定義、分析ツールと教授法、評価方法の可能性」
メディア・リテラシーの定義が日本において定まっていない状況を紹介し、教養研究センターがめざす教育のコンセプトにメディア・リテラシーの分析方法が適応できるか、センターとしてどのような多様なリテラシーを志向すべきかについて、ブレインストーミングの場として意見を交換しました。
2011年11月4日 第二回(講師:文学部 松浦良充)
リテラシー・セミナー:多様なリテラシーを目指して
「メディア・リテラシーとリベラルアーツ」
第一回に引き続き、教養研究センターが今後めざす教育およびその方法について、松浦先生の講義を起点として議論を展開しました。狭義のメディア・リテラシーである「情報リテラシー」では、多様なメディアを用いた教育方法とその課題への接近方法の議論と、他方、情報を批判的に判断し創造する考える力につなげるクリティカル・リテラシーをはぐくむカリキュラムを考案する議論にわかれました。この教育の手法を研究するにあたっては、2011年に開催された社会・地域連携と大学教育の在り方をめぐるセミナーから思いもかけず新しい発想を得ることができました。人的なつながりと学問手法のつながりから、教育手法への転用の可能性が開くセミナーを開催予定です。 

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16/10/27 
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どのように論文を指導すべきか悩んでいませんか。本ワークショップでは, 論文を効果的に指導する方法を検討し,共有することを目的としています。 論文を指導するうえで大切なことは,論文特有の文章構造を理解することです。 まず,論文の全体構造と各セクションに特有の文章構造があることを確認します。 次に,書き手が主体的に考える姿勢を促す指導方法を紹介します。 参加者の皆さんには文章指導で経験した苦労や失敗談などを紹介していただき, 一緒に解決策を考えていきます。 書き手と指導者,書き手同士の双方向の〈対話〉によって,自立した書き手を 育てる文章指導を目指しませんか。
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「学びの連携」プロジェクト2014年度 第3回公開セミナー ー学生の主体性を育む教育方法の探究ー 創造を促す対話のための言語「パターン・ランゲージ」の体験ワークショップ
パターン・ランゲージとは、個々人の経験に潜む創造・実践のパターンを、 みんなで活用可能な共有知として言語化するという方法です。 この方法を「学び」の支援に応用した第一人者を講師に、 パターン・ランゲージを用いた対話によって一人一人の経験が融合し、 いきいきとした未来を生み出す力を持った知へと生まれ変わる ダイナミズムを体験しましょう。

 

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