教養研究センター論文コンテスト  
 
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メールマガジン第4号(2012.11.13発行)
 



学┃生┃論┃文┃コ┃ン┃テ┃ス┃ト┃メールマガジン第4号 ┃
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                          配信日:2012.11.13

■《巻頭言》

11月になってめっきり肌寒くなってきました。いよいよ勉学の秋ですね。秋
の夜長を利用して論文執筆に打ち込んでいる人も多いと思います。何かしら
苦難にぶち当ることもあるでしょうが、それに負けずに乗り越えると急に視
界が開けることがあるでしょう。そこは山登りと一緒です。てっぺん目指し
て、頑張ってください。

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■《ワンポイント・セミナー》 
第3回 学習相談デスクを活用しよう!日吉メディアセンター 浅尾千夏子

 図書館1階「学習相談デスク」では、皆さんの先輩である学習相談員が相談
に乗ってくれます。学習相談員は「アカデミック・スキルズ」を履修した学部
2~4年生・大学院生が担当しています。思ったように論文の準備が進んでいな
い人や、進んではいるけれど細かい点で迷っている人、テーマの絞り込みや具
体的な論文形式のルールの確認をしたい人など、ぜひ学習相談デスクで相談し
てみてください。 

受付時間:学期期間中の月~金 13:00~18:00
受付場所:日吉図書館1階レファレンスデスク内
ページ: http://www.hc.lib.keio.ac.jp/studyskills/consultation.html

皆さんは、論文を書く際には先行研究を調べるステップを踏んでいる事と思
います。メディアセンターでは、参考にしたい文献や論文や、それらを探すた
めのデータベースを提供しています。ぜひこの機会に活用してみてください。
資料の種類と検索方法については、下記動画を見て参考にしてください。

「情報や資料の種類とその利用方法について」(浅尾千夏子)


 

■「はじめてのアカデミック・スキルズ」の動画10本を一斉公開!

 教養研究センターが日吉キャンパスで開設する少人数授業「アカデミック・
スキルズ」は「アカスキ」の愛称で親しまれるセンターの看板授業です。自分
で問題を発見し・調べ・発信する力を1年間に亘って実践的に習得します。こ
のアカスキのエッセンスを誰でも手軽に学べるよう、担当教員豪華キャストに
よる講義をそれぞれ10分の動画に収録し、「はじめてのアカデミック・スキル
ズ」という名称で公開しました。

現在、上で紹介した浅尾さんの動画をはじめとして10本を公開していますが、
そのうち論文執筆に直接役に立つものが5本あります。是非チェックしてみて
下さい。
http://lib-arts.hc.keio.ac.jp/education/culture/academic.php#movies

 

■《事務局からのお知らせ》

 論文コンテストの論文提出締切は11月30日(金)です。論文提出要領をよく
読んで間違いのないように提出してください。

<編集後記>
論文コンテストの論文執筆を応援する今年度のメルマガ配信はこの第4号を
以て終了とさせて頂きます。みなさんに今後も教養研究センターから学生向け
のイベント、講演会などのお知らせを案内することがあると思いますので、よ
ろしくお願いします。

                          監修 :吉田恭子
                          編集 :柴田浩平

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■■■■ 学生論文コンテスト ■■■■
Web   http://lib-arts.hc.keio.ac.jp/ronbun/index.html
E-mail ronbun-lib@adst.keio.ac.jp 
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このシステムで事務連絡をすることがあるので、配信停止をしないでください。


 
         
         
         
メールマガジン第3号(2012.10.17発行)
 


 
 学┃生┃論┃文┃コ┃ン┃テ┃ス┃ト┃メールマガジン第3号 ┃
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                          配信日:2012.10.17

■《巻頭言》

山中教授のノーベル生理学・医学賞の受賞が決まり、久しぶりに明るい
ニュースが流れました。慶應義塾大学医学部でもiPS細胞研究の分野では
様々な成果がでており、今後の進展に期待が膨らみます。
ところで、どんな発明・発見でも論文として発表されることで、はじめて
世の中に認められることになります。
まずは手始めに、学生論文コンテストで最優秀賞を目指しましょう。

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■《ワンポイント・セミナー》 
第3回 論文作成のプロセス

                      経済学部専任講師 迫 桂

論文の提出期間は11月1日から30日なので、すでに書き始めた人もいれば、
ほとんど手を付けていない、という人もいるかもしれません。どう始めてよい
のか分からず困っている人、取りかかりはじめたものの、方向性が定まらず困
っている人も、一度、論文作成のプロセスをおさらいしましょう。
前回のワンポイント・セミナーで吉田恭子先生が指摘されたように、作成の
プロセスは直線的かつ円滑に進むわけではなく、試行錯誤の繰り返しです。ま
た、論文執筆は、純粋知的作業ではありません。実は、自分の動機づけや論文
の意義と質に対する信念の維持、根気強さ、辛抱強さ等、自分の心理面の管理
がとても重要な作業でもあります。さらに、文献その他関連情報の収集管理、
文献資料の整理保管、論文の形式面への注意力など、事務的能力も必要とされ
ます。
このように、異なる質の能力と作業が求められるものだからこそ、論文作成
の基本的な流れを理解しておくことは、途中で方向性が分からなくなった時、
自信を失いかけた時に、心理的な助けとなるはずです。順調に進んでいる人も、
そうでない人も、今回配信される動画を参考に、論文作成のプロセスを再確認
し、論文完成を目指しましょう。
>>>この続きは以下の動画で

  *このたび教養研究センターでは「はじめてのアカデミック・スキルズ」
-10分講義シリーズ-を動画配信します。その中から

迫 桂先生の「論文作成のプロセス」を  
http://www.youtube.com/watch?v=nWMXDzbejtE で見ることができます。

 

 

■《論文学習の奮闘記》
「僕はこうやって論文の書き方を学んだ!」
経済学部4年 松下港平

 なぜ「C」しか付かないのか・・・1年生の年度末、成績表を見て一人ため息
をついた。レポート課題に限って軒並みC評定。高校の時の成績はどちらかと
いえば良い方だったし、自分なりに上手く課題をこなしたつもりだった。指定
された参考書はちゃんと読み、かなり時間をかけてレポートや論文を書いたの
に、なぜ・・・

 2年生になって、少人数制の自由研究セミナーを履修した。担当の先生は初
回の授業でメディアセンターのツアーを設けてくれた。このイベントは目から
鱗だった。これまで参考文献はまずパソコンで蔵書検索を行って書架に向かい、
使えそうな本を借りて読んでいた。正直なところ、それらしい本を集めている
だけという傾向があったと思う。なんとメディアセンターでは新聞や学術論文
が一括で検索でき、PCの画面上で閲覧することができるのである。雑誌や海外
の文献、他大学の蔵書も検索でき、勿論印刷することも可能である。諸々をPC
にて検索をかける際のポイントも教えてもらえた。
またメディアセンターにはプロの司書の方々がおり、カウンターで相談に乗
ってもらえる。「文献が見つからない」といった質問から、「こういうことを
調べるにはどうすればいいのか」といった漠然とした質問まで幅広く対応して
もらえる。

 さらに決定的に自分の論文スキルを高めてくれたのが、ある授業との出会い
だった。アカデミック・スキルズである。選抜によって少人数に絞られて行わ
れるこの授業では、情報に対するスタンスを学び、メディアリテラシーなどの
文字通りアカデミックな技術を身につけることができた。アカデミック・スキ
ルズで得たものを文章で表現するには字数が足りなすぎるため、ほんの一部を
ご紹介したい。
>>>この続きはWEBで

初回の授業は「新聞やTVの情報は本当に正しいのか?」という衝撃的な切り
口から始まった。グループを組み、事象の「裏を取る」作業を行った。与えら
れた記事の一字一句に注目し、その表現や数値が正しいものなのか、元のデー
タや引用元を全てそろえて真偽を検討する作業を行った。徹底的に文字を疑う
作業は正直なところ苦痛であった。しかし2週間かけて行ったこの作業で、自
分のメディアを見る目は変わっていたのである。単純に受け取らず、副音声に
耳を傾ける姿勢はその後の論文執筆をも変えていった。

それまでレポート課題に対しては、課題図書を読んで内容をなぞり、キー
ワードをネットで検索しヒットした内容に加筆修正して書き足して作ってきた。
評価としてはたいていC、ときおりBといった具合であった。まず課題図書を徹
底的に読み込むようになった。記載されているグラフや表は元データを調べ、
文章に恣意的な誇張表現がないか意識し、行間を読むようになった。自ずと参
考文献が増えた。図書館のレファレンスの利用頻度も上がった。

 レポートは一度書いて終わりではない。書いては直し、また書いての繰り返
しであることを学んだ。

■《事務局からのお知らせ》
いよいよ11月から論文の受付を開始します。応募する人はエントリー・
ナンバーのお知らせ(8/15配信)が届いているか、「学生論文コンテスト
論文執筆および提出要領」(9/26配信)が届いているかを確認してください。

<編集後記>
推薦図書はお休みしました。「はじめてのアカデミック・スキルズ」の
10分動画シリーズで「論文作成プロセス」を見て勉強してください。

                          監修 :吉田恭子
                          編集 :柴田浩平

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メールマガジン第2号(2012.09.28発行)
 


 
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                          配信日:2012.9.28
■《巻頭言》

もうすぐ10月。今年は暑くて長い夏でしたが、やっと過ごしやすくなって来
ました。論文作成の進捗はいかがですか。最終締切まであと2か月。未だ取り
かかっていない人は、もうそろそろ気合いを入れて始めないと……頑張ってく
ださい。

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■《ワンポイント・セミナー》 
第2回 まずは書いてみよう。そして仮参考文献表を立ち上げよう

                       文学部准教授 吉田恭子

論文とはどのようなものか、講義や参考書を参照したり実際に論文を読んで
みたりと、みなさんおおよその見当はついていることと思います。どの参考書
も、論文には「問い」があり、独自の「仮説」とその「実証」があり、参考資
料が「註」や「文献表」などで裏付けられていると教えてくれます。ところが
実際に論文を書いてみればわかることですが、論文を構想し執筆するプロセス
そのものは、問い→実証→結論といった整然としたものではなく、他のクリエ
イティヴな作業同様、紆余曲折を経るのが通例です。当初のアウトライン通り
に論文が書き上がることはまずありません。

論文作成の過程は映画制作のプロセスに似ています。撮影=執筆をする前に
さまざまな下準備の作業があり、撮影も、冒頭から撮り始めるわけではありま
せん。天候やロケ地、キャストやセットの条件が合う部分から撮っていきます。
そして撮り上がったフィルムは大胆かつ緻密な編集作業で大幅にカットされ、
つなぎ直されることで、一貫性があるひとつの映画=論文となるのです。ここ
では、その下準備のなかでもとりわけ有効な作業をふたつ紹介します。ひとつ
はフリーライティング、もうひとつは仮参考文献表の作成です。

フリーライティングは論文執筆のコツとして紹介されることはほとんどない
のですが、広くお勧めしたいテクニックです。本来は、目的もテーマもないま
ま心に浮かんだことを自由に一定時間書き留めていく技法を指します。ここで
はそれを応用して、自分で決めたひとつのテーマやトピックについて、一定時
間自由に書きます。ワープロを使っても手書きでも構いません。どちらにせよ、
専用のファイルやノートを準備しておくべきで、時間は10分で充分でしょう。
とにかくできるだけ止まらず、考えず、スピードをつけて10分間書き続けます。
書いたものには終了するまで目を通しません。内容よりも、書く行為そのもの
を重要視します。10分たったら、文の途中だとしても書くのをやめます。これ
をたとえば毎日、定期的に繰り返します。

フリーライティングには三つの目的があります。(1)書く行為の敷居をで
きるだけ低くすることによって執筆に伴う心理的な負担を軽くする。(2)10
分なら10分集中して書く作業を繰り返すことで、執筆のスイッチをオンにしや
すくする。(3)書いたものがある程度たまったあと読み返すと、自分でも気
がつかなかった傾向や問いを絞り込むヒントが見つかる。


              >>>この続きはWEBで

 フリーライティングは以下のような場面で有効です。(1)テーマは決まっ
ていてアイディアはあるのだが、論文の全体像や構成がまだ明確でない場合。
(2)執筆になかなか気乗りしないとき。(3)論文が行き詰まったとき。以
上のような場合、とにかく10分間、ひとつのことについてとにかくひたすら止
まらず深く考えず書いていきます。途中で話題がそれていっても構いません。
支離滅裂でもいいのです。自分以外は誰も読まないのですから。映画制作のプ
ロセスに喩えるなら、フリーライティングは監督がインスピレーションを可視
化するためのコンテの前のスケッチに当たるでしょう。

 続いては、仮参考文献表の作成です。中にはもうこの作業にとりかかってい
る人もいるかと思います。まだの人は今すぐ始めて下さい。一般に論文の最後
には参考文献一覧もしくは引用文献一覧が付されています。論文中で参照・引
用した文献すべてを学問分野規定のフォーマットにしたがって一覧にします。
一覧は最後に作ればいいと考えている人は、論文を書き慣れていない人です。

 学術論文はただ単に自分の意見や考えを書き連ねればよいわけではありませ
ん。先行研究や過去の成果に目を通し、適宜それらに言及し、評価できるもの
は取り入れつつ、反論すべきものには検証・論駁を加えて、その上に自分の主
張をうち立てる、すなわち学問的な「対話」が不可欠です。その「対話」の相
手こそが、文献表に並ぶ論文・書籍たちです。自分の研究論文という「舞台」
に誰を招くのか。その招待客の仮のリストが仮参考文献表です。あくまでも仮
なので、名前は聞いたことがあってもまだ出会っていない人や、まったく未知
の人もリストに加えて構いません。思いついたらとにかくリストに加えていき
ます。ここでいう文献とは印刷物とは限りません。映像、聞き取り調査、各種
データなども含まれます。文献の書誌情報(著者、タイトル、副題、論文掲載
誌、ページ、出版地、出版社、出版年、ウェブ閲覧日など)はひとつ漏らさず
記録しておきます。面倒だからといって省いてしまうと、かえって後々時間の
無駄を招きます。

 仮参考文献表には複数の重要な役割があります。(1)自分の学問領域につ
いてより深く調査し、論文のテーマを絞り込むための戦略的読書の道程表とし
て利用する……関連文献を検索しリストアップしてゆく過程で、どんなことに
ついてすでに研究が出版されているかが見えてきます。また、リストの文献を
既読のもの・大いに参考になったもの・反論すべきもの・未読だが入手済みの
もの・未入手のもの、等々と分類することで論文執筆のための準備の道筋が見
えてきます。(2)仮文献表を文献ノートの目次として利用する……仮参考文
献表とは別に、読んだ文献についてのメモを記入するファイル「文献ノート」
を準備します。一読した文献については、概要とコメントを記録しておきます。
その際、後々論文で引用したい部分をタイプし、その部分のページ数をメモし
ておくと執筆時の編集作業がはかどります。(3)執筆が進むにしたがい、仮
の一覧表が進化・分裂・精錬されて、最終的には論文末の参考文献一覧表とな
る……本格的な論文にはかなりの参考文献を使いますから、論文の最終段階で
参考文献すべてをゼロから完璧なリストに仕立て上げるのは極めて繁雑な作業
となります。ときには、いったん返却した本を再び借りたり、見失ったファイ
ルを何時間も探したりと、思わぬ足止めを食らうことになります。あらかじめ
気になった文献をすべてリストアップしておけば、最終的には、実際に使った
ものをピックアップすればよいだけです。また、実際の論文では使用できなか
ったが興味を持った文献を核に次のプロジェクトに向けての新たな文献リスト
が生まれます。これこそが知的営みのサイクルです。

 映画制作に喩えるなら論文一覧表は映画の終わりのクレジットロール。仮リ
ストは映画撮影の前から着々と準備されています。映画ができあがってはじめ
てリスト作成に着手する制作者はいません。

 フリーライティングと仮参考文献一覧は論文執筆という知的営みの両極を担
う作業です。フリーライティングは意識を執筆向けにチューンアップし思考の
柔軟性や意識の底にある思索を導き出そうとする右脳的試みであり、左脳的作
業ともいえる文献表作成は優秀な論文の第一条件である形式的な正確さを期す
ことに繋がります。

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■《論文作成ナビ》

 秋学期が始まり、学習相談デスクも秋学期シフトになり相談受付を開始しま
した。相談に行く前に、具体的に何を相談するかをよく考え、きちんと整理を
しておくと、よいアドバイスが得られるでしょう。

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■《論文の書き方セミナー第2回 開催》  

 日時:10月12日(金)6時限(18:10~19:40)
場所:日吉D203教室
講師:山内志朗(慶應義塾大学文学部教授)
演題:論文執筆の基本心得について(仮題) 

 事前申込みは不要です。セミナーは公開ですので塾生は誰でも受講できます。

   ★ 山内先生の著書「ぎりぎり合格への論文マニュアル」を抽選で
10名の方にプレゼントします。応募は当日会場にて。

ビデオ補講を以下にて開催します。10月12日に参加できない人はこちらへ
・10月15日(月)2時限、5時限
・  17日(水)5時限
・  18日(木)5時限
場所:来往舎 シンポジウムスペース

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■《推薦図書紹介》  

 ぎりぎり合格への論文マニュアル
山内志朗 著 平凡社新書

 

 

“はじめに”を読むと、「この本の狙いは良い論文の書き方を伝授するもので
はない。不合格にならない論文を書くにはどうすればよいか。そのコツを教え
ることにある。」と書いてある。更に、論文に「独創的な考え」や「オリジナ
リティ」など必要ありません。必要なのは論文という「形式」に従って書くこ
とだけである。と書いてあるので、ずいぶん大胆な発言で、独創性は本当に必
要がないのかと思ってしまうが、要すれば論文初心者はまずは「形式」を押さ
えろということなのだろう。

 本書では、形式や型をマスターするために、1)論文を書く段取り 2)論
文を書いている間の作業 3)論文の仕上げ、という3つのステップに分けて
解説が施されている。筆者が大学で実際に論文指導を行った豊富な経験をもと
に書かれているので、学生にとって貴重なアドバイスが多い。新書版で手軽な
ので、通学途中にでもぜひ読んで欲しい一冊である。

著者の専門:中世哲学 索引:なし 
初版:2001年9月 本体価格 700円
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■《事務局からのお知らせ》

*学生論文コンテストの「論文執筆および提出の要領」を9月26日にE-mailで
送信しました。よく読んで確認をしてください。

<編集後記>
1週間に1回の発行を目指しているのでかなりあわただしく大変です。ある程
度読んでくれているとは思いますが、一方通行の発信のため、みなさんの反応
が読めずやや不安です。論文コンテストに関して何でも結構ですので、メール
またはWEBフォームで事務局宛に要望や感想などをお寄せください。
まもなく?回目の誕生日を迎える”論文おじさん”より。

                          監修 :吉田恭子
                          編集 :柴田浩平

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メールマガジン第1号(2012.09.20発行)
 



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配信日:2012.9.20
■《巻頭言》

ロンドンオリンピックが幕を閉じ、夏休みもあとわずかになってしまいまし
たが、2012年の夏はみなさんにとってどんな夏だったでしょうか。このメール
マガジンの読者は、自主的に論文の勉強をしようという意欲の高い人なので、
それぞれ有意義な夏休みを過ごされたのではないかと思います。いやいやコン
テストは単なる賞金目当てだよという諸君もいるかもしれません。
動機が何にしろ、192人のみなさんがお互いに競い合って、何かを学んでく
れればこんなうれしいことはありません。でも、何かを仕上げる、成し遂げる
というのはそう簡単なことではないので、相応の決意と計画性を以て臨んでく
ださい。
このメールマガジンはそういう挑戦者のみなさんを側面から応援します。11
月にまでに戦線離脱する人が出ないことを祈っています。
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■《ワンポイント・セミナー》第1回 論文とは?論文の問いの立て方とは?

                       法学部准教授 佐藤元状

 今日は、みなさんに論文とはどのようなものなのかについて、そして論文の
問いの立て方のコツについて、簡単にお話したいと思います。

 みなさんは今回論文の作成にあたって、どのような苦労をしていますか?そ
もそも長い文章を書くこと自体がはじめてという人も多いのではないでしょう
か。これまで短い読書感想文やレポートなどを書くことはあっても、原稿用紙
20枚の論文を書くのは、想像よりも難しい作業ではないでしょうか。しかも、
論文には、いくつかの厳しい決まり事があります。この決まり事の詳細につい
ては、『アカデミック・スキルズ――大学生のための知的技法入門 第2版』が
近々出版されますので、ぜひ手に取っていただきたいのですが、論文とは、つ
まるところ、自分で特定のテーマを設定し、そのテーマについて書かれた過去
の文献のリストを作成し、それらの文献を読み込みながら、自分の問題意識を
明確にし、その自らのリサーチと熟考の成果を引用や注などの論文作成上の
ルールを守りながらまとめあげたものと言うことができるでしょう。

 このようにまとめてみると、どこが最初の躓きとなるかわかるでしょう。そ
うです、自分で特定のテーマを設定すること、つまり論文の「正しい」問いの
立て方ができるかどうかが、みなさんの最初の試練なのです。みなさんの論文
には、タイトルが付けられていると思いますが、そのタイトルをもう一度自分
で確認してみてください。論文のタイトルは、その内容の要約となるべきもの
です。ということは、もしそれが「宗教の歴史」のようなものであれば、確実
に最初の一歩を踏み外したことになります。なぜならば、みなさんはそのテー
マの過去の文献を読むだけで、一生を費やすことになるからです。「日本の」
という地理的な限定や、「1980年代以降の」という時代的な限定があると
一歩前進です。でも、これでもまだまだ大きい。もっとテーマを具体的に絞り、
なおかつ独自の論点を持つことが必要になります。

 「正しい」問いの立て方は、みなさんが現在持っている力で証明できる、適
切な大きさのテーマを選択できるかどうかにかかっています。原稿用紙20枚
では、実は論じられるテーマの大きさは、かなり限られているのです。論文作
成に本格的に取り掛かる前に、もう一度タイトルをよく検討してみてください。

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■《論文作成ナビ》

1)提出する論文のタイトルおよび部門は、事前登録と異なっても構いません。

2)参考になると思われる論文タイトルの具体例が、学生論文コンテストのWEB
ページの「応募者の部屋」に多数掲載してありますのでコツを見習ってくださ
い。
http://lib-arts.hc.keio.ac.jp/ronbun/heya.html

3)『アカデミック・スキルズ――大学生のための知的技法入門 第2版』は9月
下旬に慶應義塾大学出版会から発売予定です。

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■《推薦図書紹介》  毎号1冊ずつ紹介してゆきます

新版 論文の教室 -レポートから卒論まで-
戸田山 和久 著 NHKBOOKS

 

 

“キミは論文って何かを知っているか!?”12万部突破……と帯に書いてあ
る。作文ヘタ夫くんという主人公が論文を書くことにチャレンジしてゆく様子
を示してユーモアをまじえて書かれている。
読み物風にストリーに沿って書かれているので、分からない事について拾い
読みをしたり、テキストとして参照する使い方には向かないが、読みやすい手
引き書だ。論文の例がかなり多く書かれている。“キミは論文って何かを知っ
ているか”が第I部のタイトルでもあるが、ここだけ読んで止めたとしても、
それだけで4年間の大学生活の役に立ちそうなので、新入生にはお奨めの本で
ある。
もう一つの特長は、副題が“レポートから卒論まで”となっており、論文ま
ではいかなくても授業で提出を求められるレポートを書けるようなりたいとい
う人にもお奨めできる。17個の練習問題があるのも特長である。
本書は新版として改訂され8月30日に出版されたばかりで、インターネット
などの情報アクセス法のより詳細な解説が付け加えられ、さらに巻末付録には
論文作成に役立つノウハウがコンパクトにまとめてあり、とても便利だ。

著者の専門:科学哲学 索引:なし 
初版:2012年8月 本体価格 1200円
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■《事務局からのお知らせ》

*DVDプレゼントの希望者が94名でした。予想以上に多かったので驚きまし
た。既に抽選を終えて、当選者には8月30日に発送ずみです。希望したのに届
いていない人は ”残念!”でした。

*論文コンテストのWEBに「応募者の部屋」を作って、論文作成に役立つ情
報をこのメールマガジンと別に提供しています。定期的にチェックしてみてく
ださい。

*学生論文コンテストの「論文執筆および提出の要領」は近日中にE-mailで送
信します。届いたらよく読んで確認をしてください。

<編集後記>
このメールマガジンは論文提出の11月まで何回か発行します。頻度は今お約束
できませんが、みなさんに負けないようがんばります。
監修 :吉田恭子
編集 :柴田浩平

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