学習環境構築研究ユニット


ユニット代表者:熊倉敬聡 (慶應義塾大学理工学部教授)


1.研究の概要

 本ユニットの研究目的は、教養教育の新たなモデル構築にあたり、そのコンテンツが最大限の意義を発揮できるような学習環境としての大学・キャンパス像を描き出すこと、また大学・キャンパスが内在させる「学びの場」としてのさまざまな可能性、コミュニケーションの潜在的多様性を探ることで、これまでにない大学・キャンパスを構想することにあります。

本ユニットは、以下の三つの課題に取り組みます。

(1)開放コミュニケーション型キャンパス研究:さまざまな制限・規制などから解放され、自由にオープンなコミュニケーションができる大学・キャンパスの実現を目指し、次の二つのプログラム開発研究を行います。

・「バリアフリー・キャンパス構築―心・身体・頭・モノのバリアフリー」モデルに関するプログラムの総合的な開発研究と実践を行います。

・「コミュニケーション・キャンパス構築―自律的学習支援ポータル・プログラム」モデルに関するプログラムの総合的な開発研究と実践を行います。

(2)拡張インターラクション型キャンパス研究:地理的に限定された既存のキャンパスから出て、社会との相互作用の只中から新たなキャンパスを創出することを目指して、以下の二つのプログラム開発研究を行います。

・「テクノ・キャンパス構築―秋葉原クロスフィールドと結んで」に関するインターンシップ・プログラムの開発研究と実践を行います。

・「インター・キャンパス構築―解体・逆転・再生の入れ子型キャンパス」に関するプログラムの総合的な開発研究と実践を行います。

(3)21世紀型キャンパス基本構想研究:統合研究ボードと連携をはかりながら、「21世紀型キャンパス基本構想」策定を目的としたキャンパスの現状調査と問題点の抜本的な洗い出し、キャンパスが内在させている種々の可能性についての多角的な検討を行います。

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2.2005年度活動報告

(1)「テクノ・キャンパス構築研究グループ」主催研究会(2005年11月4日、秋葉原クロスフィールド)

  NPO法人産学連携推進機構理事長の妹尾堅一郎氏より、秋葉原クロスフィールドを中心とする実証実験や街づくりの計画についてのレクチャーを受け、将来のインターンシップ・プログラムの可能性について意見交換を実施。

(2)「コミュニケーション・キャンパス構築研究グループ」主催研究会(2005年12月22日、日吉キャンパス来往舎)

 同グループが、ユニットメンバーに対して、ポータルサイトの開発状況について報告会を実施し、意見交換を行いました。

(3)「バリアフリー・キャンパス構築研究グループ」主催研究会(2006年2月10日、東京大学先端科学技術研究センター)

 同グループの研究メンバーの一人である中野泰志が特任教授を務める東京大学先端科学技術研究センターの以下のプロジェクトを見学しつつ、意見交換を行いました。

  • 1.先端研バリアフリープロジェクト(福島智研究室)
  • 2.東京大学バリアフリー支援室
  • 3.五感情報通信プロジェクト(廣瀬通孝研究室)
  • 4.人間情報工学プロジェクト(伊福部達研究室)
  • 5.東京大学領域創成プロジェクト(中邑賢龍研究室)

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3.2006年度の活動計画

 2005年度に行った、ユニット内各グループ間の意見交換を背景として、今年度は、グループ間のインターラクションをさらに活発化し、さらに統合研究ボードと密な連携を図りながら、このユニットの最終目標である「21世紀型キャンパス基本構想」の青写真を練り上げていく予定です。そのためにも早急に、キャンパスの現状調査と問題点の抜本的な洗い出し、キャンパスが内在させている種々の可能性についての多角的な検討を行います。

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